2011年12月15日木曜日

1X10A174 山下唯 A++ 「しまっていた記憶」
引き出しをあけるとそこに鍵がおかれていただろう、影のへこみがみられる。探しものはその鍵のかかった場所にあるのだろうか。けれどもその鍵はそこには存在せず、記憶していたはずの出来事も、もはや思い出にもならないことが示唆される。丁寧な箱のつくり方が、心の中に詰まっていた「しまっていた記憶」が大切なものであったことをも思わせ、作品の完成度を高めている。(安東)