2011年7月15日金曜日

お知らせ

次回の授業(7月20日)で前期最後の授業となります。
No.8の課題「くつした」の講評、そして夏休みの課題発表となります。
成績確認も行いますので、皆さんよろしくお願いします。


また、研究室前の演習作品保管スペースには限りがあり、保管困難な状況です。
必ず夏休み前に持ちかえるようにして下さい。

TA
Movie No.3 
「光の箱」1X10A135 久恒 光基 A++
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Movie No.2
「光の箱」 1X10A081 清水 友稀  A++
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Movie No.1
「光の箱」1X10A007 飯田 瑛美  A++
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1X10A114 戸村 陽(とむら よう) 「影の穴」


白いキューブに細かい四角が彫り込まれた作品。光の強弱方向によって驚くほど影のグラデーションが豊かに変化する。中央に一番濃い影を配置したことによりレンジの広さも作りだしている。彫り込むことによってみるものを引き込む強さもあり、オブジェとして完成度が高い。(間下)

1X10A105 田中 智(たなか もと) 「見える影 見えない影」




影をおとさない彫刻を目指したのだろう。白い台座に白い細い線材がcubeを構成するように斜交する。僅かな影の身じろぎは繊細である。ステルス彫刻と言える。惜しむらくは、台座の精度と言える。(入江)





1X10A179 山本 浩夢(やまもと ひろむ) Smaller smaller smaller




粗い影がだんだんと細かい影に変化し質感を変えてゆく力作。土台の黒と卵の白とのコントラストが美しい。直方体から最初の削りだしが急なのと、ほぼ卵形になってからの変化が緩やかすぎるので、形が変化する段階のバランスを考慮するとなお良かった。(安東)

1X10A099 滝本 信幸(たきもと のぶゆき)




接着された多数のストローの端面が、シャープすぎない輪郭の、独特の質感を持つ曲面を構成する。視る角度によって表情が連続的に変化して、影がやわらかく移り変わってゆく情景がうまく表現されている。(安東)
1X10A155 松縄 暢(まつなわ みつる)  「影日記」



コンター状の厚みの中に三つの穴が少しずつスライドしながらあいている。そしてその集積は一冊の空白の本となっている作品。本という形式をとることで「自分にとっての影」を記述したかのようにもうけとれる。三つの穴の配置や大きさ、形状にこれしかない、という強さがほしい。(間下)

1X10A077 佐藤 洋平(さとう ようへい)「たわむ」



平らな面から、ほんの少したわみをつけるだけで光源に対して面全体が光で充填される。異なる方向から差し込む照明のバンドアのような役割を果たしているのではないか。(博多)

1X10A079 佐野 優(さの ゆう) 「刻」






275×275×275の直方体を刻み込み、鋭い痕跡を見させている。「刻」という表題の意味であろう。もう一方で、刻(とき)を告げる意味もあろうから、刻々変化する光の時間的推移の中で様々な陰影が作り出される様相も作者の意図となっているのであろう。(入江)
1X10A067 小林 ひかる(こばやし ひかる)




立体の一面が開口の集積として表現される。直方体の開口は反転して、もう一つの面からは三角柱や角錐の集積となる。凹んだ影を作り出す方向と、凸った影を作り出す方向がある。距離を介して交錯する。佳品であるが、精度が悪いのが残念と言える。(入江)
1X10A100 田熊 隆樹(たぐま りゅうき) 「影は2,5次元にあり」




波紋とも化石とも言えないパターンがざっくりと滑らかに横たわり、境界へ向かって消失してゆく。枠の外側には更地が広がっているような風景を想像させるランドスケープ風の作品に仕上がっている。(安東)

1X10A107 丹野 勝太(たんの しょうた)「山・川」



原始的な形を極めて抽象化して表現している。一つの塊から浸食を経て安定した形になる造形物として山を捉えていて、山の表面を水が徐々に流れているような過渡的な質感と影が印象に残った。(博多)
1X10A133 原 周二郎(はら しゅうじろう)「滝」



くしゃくしゃにしたトレーシングペーパーにひとすじ石膏が流し込まれている。「滝」というタイトルから渓谷を模したものと読みとれるが、一枚の紙から抽象→具象までの変化を手助けしているのは細かく織り込まれた影である。一見するとしわくちゃなゴミのようにも思えるものに、見れば見るほど細かな想像力をかきたさせる、上手い装置を仕掛けた作品。(間下)

1X10A039 沖津 龍太郎(おきつ りゅうたろう)「Imagination


人体に張り巡らされた血管のように血や肉を取り去ったことで残った、ある生物の血管標本の様である。(中心にはその生物のコアとおぼしき螺旋状のものがあり、血管の間には肉片がついている。)その血管標本はもはやそれ自体には影を落とさないが、残された面影が、地面に今にも動き出しそうな有機的な影を落としている。ぞっとする作品だと感じた。(TA堀)
1X10A164 宮下 陽(みやした よう)     「切っても切り離せない」


自分の足を石膏で型取った作品。影という視点で眺めると人間の造形はなんと不思議で、繊細な形状をしているのだろうと気付く。土踏まずに出来る影の濃さに重みを感じる。
(間下)

1X10A185 米沢 詩琳(よねざわ せりん)



香りよい石鹸を、丹念にバラを浮き彫りにすべく、彫り込んだ作品。表面の立体の石鹸を微細に彫り進めば進むほど微小な影の縮図が生み出されてくるのを狙ったのであろう。果たしてバラが良かったかが問題であろう。(入江)

1X10A182 吉岡 祐希(よしおか ゆうき)「wave



既視感のある形態でありつつも全体の質感がエナメル質で等しくラップされていることで一カ所にとどまらない、逃げてゆく影が演出されているように感ずる。影の彫刻というより、彫刻の表層だけを流れるリキッドな影を捉えた作品。(博多)

1X10A047  神谷 佳祐(かみや けいすけ)「カタマリ」




立体的の三面の対角線によって構成される三角形をキューブの連なりによる凹凸によってデザインした作品。三面の陰影のコントラストと、それらの反復によって幾何学的に美しい効果が得られている。また、側面のリップルボードによる仕上げはキューブの面を引き立てている。表層的な作品だけに、仕上げにひと工夫欲しかった。(TA坂本)

1X10A088 鈴木 雅一(すずき まさかず) 「影のグラデーション変化」
5mm厚のボードの部材が徐々にねじれていくことで、自身に影を落としている。ひいて見ると曲面的な影が、近づいて見ると段々の関係による立体的な影を感じることができる。同様の手法で、より美しく見せるための思案の余地があるように思える。(TA坂本)

第三課題「影の彫刻」 出題:間下 奈津子

皆さんの前に「影」という素材があります。
その素材が最も輝いていると思う、自分にとっての「影」について、
立体物を製作してください。
「影」の担い手である光は規定できないものとします。
又、原則色は白とします。
立体にはコンセプトを表わすタイトルを付けること。
完成度の高い模型を期待します。

出題日:5月25日
提出日:6月1日
講評日:6月8日
提出物:275×275×275以内の立体(液体、生物等は不可とする)

2011年7月14日木曜日

1X10A166 向井 ひなの  A+++
日常生活の中で、一番身近なところで「surround」をとらえていて、全てのものにつながっているけれども、どこともつながっていない。そんなアングルで切り取って表現されている。よく知った背景や全く知らない風景に知らないうちに接続させる。そんな力をもった作品に仕上がっているように思う。(博多)

1X10A039 沖津 龍太郎  A+++ 「赤の他人」
顔を含む部分を画面からトリミングして、匿名化された群衆が描き込まれている。顔を失った瞬間から、個人としてのあらゆる要素は漂白され、よそよそしい。バックグラウンドとしての他者としての側面だけが表にあらわれてくる。足音や話し声すら、全く知らない外国の都市に放り込まれたような、群衆の中にある孤独を感じる作品。(博多)

1X10A156 松延 浩人  A++ Surround tense
ボードに金属の質感のあるカッティングシートを貼り、その上から部分的にヤスリをかけて作品を仕上げている。キャッチボールをしていると思われる二人の間に描かれた球の軌跡とそれを観察する者の瞬間的な距離感を固定した作品。この空気感を表現するための素材と加工方法の選択は正解だと思う。(安東)
1X10A124 名越 まり A++ vapor
温泉でも銭湯でもなく、既成のユニットバスの空間に蒸気が蔓延している様子を描いた作品。淡いコントラストで狭い空間を見上げて描くことにより、日常の中にもわずかな非日常性を孕み、スケッチにとどまらず作品として昇華させた点が評価された。(間下)
1X10A077  佐藤 洋平  A++ 「兆し」
「兆し」と題された作品で、雲の断片が丹念に描き込まれている。表面にはタペストリ−のシートが張り込まれていて、雰囲気的な効果を助長している。最も外部に設置する。空の表現であると同時に、最も内面を投影しているような錯覚を覚える。(博多)