2011年12月8日木曜日

第8課題「脳外記憶維持装置」 出題:博多努

喪失した記憶
他者の記憶
生活の中に露出した記憶
空間、場所の変化とともに喪失される記憶
世代的、時代的に相続されない記憶
記録化の中に埋没し、化石化される記憶
『記憶』まつわるパーソナルなイメージを手がかりに、記憶を外部化し、
とどめる為の装置を提案して下さい。
(モニュメント、記録媒介的なものではありません。)

提出物:立体(ベースサイズ275×275)
出題日:2011年11月30日
提出日:2011年12月7日1時30分(時間厳守)
講評日:20111年2月14日

1X10A105 田中智 「I Walk You」A+++

黄緑や藤紫など、乾いた空気を感じさせる色彩を何度も重ねてできた色のパネルがいくつも立ち並び、交差して空間を形成している。その空間の隙間を黒髪で顔の表情が読み取れない青い服をまとった人が横切る。それを見失わないように、観察者も歩いていく。キャンバス地に積層された色彩の空間は閉鎖的でありながら、どこかへ続く迷路にもなっているようだ。独自の世界観に観るものもその作品の中に引き込まれていく大作。(安東)

1X10A100 田熊隆起 「歩かれるもの」A++
道路目線の作品。ウォーキングはまず道があってこそのこと。だとしたらその道から我々はどう見えているのだろう。といったことを時系列で三枚一つの構図の良さと書き込みの丁寧さ、着眼点のおもしろさがあいまって質のたかい作品である。(間下)
1X10A181 吉江優 「ただそこにいて、じっと見ているだけの」A++
室内の棚の箱に仕舞われた豚のぬいぐるみが主人公のようだ。生活するさまざまな所作・動作は距離のないwalkingかもしれない。それは「そこにいて、じっと見て」いるだけの定点的なものがあって、自覚されてくるといいたいのだろう。「walking」を対象にしている姿勢が見える作品である。(入江)

1X10A117 中島みづき 「脚光」A++
第一歩を踏み出す緊張した足先を、照らし出された道筋が相似形をなしている。暗闇の中に照らし出された没個性的な表情の視線が背景をテクスチャーを成している。この二つの要素だけに限定し表現しきった点が評価される。(博多)

1X10A179 山本浩夢 「目線」A++
冬の枯葉舞う公園を歩いている情景が彩色して描かれている。着彩も美しく、丁寧に表現されていて、好感が持てる。「目線」と題されているだけあって、足許の振る舞いから引き伸ばされた視野がカーブを描く林を絡みとっていく。Walkingのスピード感がそうさせているのだろう。(入江)

1X10A133 原周二郎 「When My WALKMAN Walks」A++
「歩きながら音楽を聞く」この発明的商品の名前を冠した作品。誰もが音楽を聞きながら流れる風景をみると映画のワンシーンの入り込んだ気持ちになることがあるのではないだろうか。その感覚を波という記号に喚起させられる。(間下)

1X10A184 吉田名保美 「獏」A++
細部と全体、パターンと立体、色彩の有るものとグレースケールのものが渾然一体として、一つながりの世界観で表現されている。実体はまるっきり異なっていても、像としてつながってくるものの可能性、夢をすいとる獏の胃袋の中を開いたような表現にも見える。(博多)

1X10A160 三角俊喜 「Cats Life」A++
ワイルドな、都会に生息する猫の視点が印象的に描かれている。路地、水たまり、ビルの裏手に生えた雑草の影からビルに反射した静かな光がもれてくる風景には、都市に独特な緊張を見つめている様子がうかがえる。描き込まれたドローイングで表現される猫の視点のするどさと、そこに映るどんよりとした空気と雑然とした路地の混沌とした風景は、猫の孤独と同時に都会に住む人間の孤独をも表しているようだ。(安東)

1X10A056 轡田真波 「ネコと人と門」A++
家から外に出る門を人間と猫の視点で描かれた作品。日常と非日常を上下に書き分けた点がおもしろくさせている。猫の外への渇望、期待感をも読み取れる。(間下)

1X10A048 鴨下奈央 「AUNTS LIFE」A++
面に限りなく近いところから浮かび上がる立体性、テクスチャーに密着した「ど近眼」の視点のようなところに可能性を感じる。ただ、予測可能な域からは抜け出ていない印象をもった。(博多)

1X10A062 河野裕介 「空高く、舞い上がれ」A++
Walkingの高揚感が表現されている。鳥瞰的に描きながら、歩いている人の気分が街並みと躍動的に空高く舞い上げている。直截な気分がよく出ている。(入江)

1X10A139 廣戸亮 「Watch」A++
白い空間に、様々な異なる足取りで歩く人のサインのような図形が貼付けられ、それぞれが喜怒哀楽を表すように見える。赤はちょっとイライラして。黄色ははつらつと。青は落ち込んだような人の姿。一筆書きのような記号はシンプルであるが、無駄のないきれいなドローイングだ。人の気持ちと身体運動の関係づけが、色やタッチの違いでスマートに表現されている。(安東)

2011年12月6日火曜日

お知らせ No.6


日経アーキテクチュア特集「我が校の名物授業」第一回目に「設計演習B/C」の記事が掲載されました。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/next-k/
無料会員登録で閲覧することができます。
是非ご覧下さい。


設計演習Cの授業はいよいよ明日、最終課題の提出となります。
皆さんの作品楽しみにしています。


設計演習TA

2011年12月4日日曜日

第七課題「WALKING」 出題者:安東陽子

ひとはそれぞれ、自分の身体に合ったテンポで歩く。自分の目の高さにある視野に見えるものを見て、感じる。目的地も通る道も歩く理由も様々で、でも人間は歩き続ける。歩く時の息づかい、空気、履いている靴、靴が接する地面、見上げると見える空、舞っているホコリ。空間の感じ方は自分と周囲の相互関係で様々に変化する。今回は、皆さんの立場を日常から切り離し自分以外の主体を設定して、そこからの視野で歩きながら見える世界をドローイングに表現してください。

出題日:11月16日
提出日:11月30日 13時30分(厳守)
講評日:12月7日
提出物:ドローイング(275×275、3枚以上)
1X10A179 山本浩夢 A+++

1X10A117 中島みづき A++

1X10A099 滝本信幸 A++

1X10A090 瀬尾憲司 A++

1X10A051 岸本太幹 A++

1X10A181 吉江優 A++

1X10A145 藤森慧 A++

1X10A128 野澤美咲 A++

1X10A100 田熊隆樹 A++

1X10A058 久保田悠人 A++


1X10A050 神戸麻千子 A++

1X10A187 和田愛美 A++


1X10A108 知花尚志 A++

1X10A182 吉岡侑希 A++

1X10A081 清水友稀 A++

1X10A186 呂 A++

1X10A007 飯田瑛美 A++
第六課題 「PLOT」 出題:間下奈津子


なにものかがA→Bに変化するとき、この過程は果たして一つでしょうか?
それとも無限にあるのでしょうか?
特定される要因は様々ですが、多くの可能性の中から効率だったり、重力だったり、
金額だったり、好みだったり、ある要因に特定されて一つの道をたどっています。
今回の課題では地球が一回転する間の様々な可能性について考察し、
遠回りしながら仮定をPLOTして15秒の映像を制作して下さい。

出題日:11月9日
提出日:11月16日 13:30
講評日:11月30日
提出物:映像 15秒間+最初と最後に3秒のクレジット(タイトル、学籍番号、氏名)
CD-Rに学籍番号、氏名、携帯番号を直接明記して提出のこと。
動画の形式はmov,flv,mp4,avi等で重くしすぎないこと。
(10MB程度、せいぜい50MB以内で出来ると思います。)